日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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手技の解説
十二指腸乳頭部腫瘍に対する内視鏡診断と内視鏡治療
松崎 晋平岡野 宏西川 健一郎佐瀬 友博齊藤 知規向 克巳真口 宏介
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2009 年 51 巻 8 号 p. 1738-1747

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抄録
乳頭部腫瘍に対する治療の基本は外科的切除術であるが,近年,内視鏡的乳頭切除術が普及しつつある.適応は,胆管・膵管内進展陰性の腺腫については統一した見解が得られているが,早期癌への適応拡大については意見が分かれている.
診断を行う際には,乳頭部の解剖学的理解が必須であり,腫瘍の進展度診断では,EUS,IDUSによる十二指腸固有筋層浸潤(Du),膵浸潤(Panc)の判定に加え,胆管・膵管内進展の評価が必要となる.内視鏡的乳頭切除術は技術的難易度の高い手技であるため,十分な内視鏡技術を有したものが行うべきであり,偶発症対策として,特に出血と急性膵炎への対処が重要である.
本稿では,乳頭部腫瘍の内視鏡診断と治療について概説する.
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© 2009 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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