日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
消化器内視鏡の過去・現在・未来そして日本の課題
丹羽 寛文
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2011 年 53 巻 12 号 p. 3701-3735

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抄録

消化器内視鏡は初期の内視鏡,硬性胃鏡,軟性胃鏡,胃カメラ,ファイバースコープ,電子スコープと発展してきた.近年はさらにカプセル内視鏡も登場してきた.この間の発展に特に重要なのは光源の開発であった.
初期の内視鏡は1804年のBozziniのLichtleiterを嚆矢としてDésormeauxの内視鏡などが開発され硬性胃鏡には多種多様のものが試みられてきた.軟性胃鏡は多少の屈曲性があり,胃カメラ,ファイバースコープ,電子スコープになって自由に屈曲できるものとなって,現在ではその他の諸機能を含め電子スコープが主体となっている.この間の機器の開発,発展の経緯を詳述し,どの様な労苦が払われてきたか述べてみた.近年は電子スコープを使って,各種画像処理,紫外線,赤外線観察なども可能となり,さらにNBI,蛍光内視鏡なども実用化された.近年特殊光観察という用語が一人歩きしていたが,それに対する筆者らの見解を述べ,新たに内視鏡観察法の分類を提唱してみた.また今後将来に向けて考えられることを機器を中心に述べてみた.これら内視鏡の過去,現在,未来を受けて,諸外国特にアジア地区の諸国の日本に対する期待,その他日本に与えられた課題を考えてみたい.

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© 2011 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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