日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
悪性大腸閉塞に対するMetallic stent留置のコツ
吉田 俊太郎伊佐山 浩通小池 和彦
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キーワード: ステント, 内視鏡, 大腸
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2013 年 55 巻 2 号 p. 306-315

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抄録
大腸内視鏡を用いた悪性大腸閉塞に対するself-expanding metallic stent(SEMS)留置は,手術前の腸管減圧(Bridege to surgery,以降BTS)や緩和的外科治療が困難な患者の腸管減圧のための緩和的治療(Palliative therapy)として,海外では広く受け入れられた治療である.しかし,その手技は保険収載されておらず,臨床試験でのみSEMS留置は可能であった.2012年1月より,本邦でも同治療が保険収載され,今後その治療が広く行われることが予想される.しかし,同治療は腸管穿孔,stentの逸脱を含めた重篤な合併症をともなう手技であり,留置法については一定のかたちが必要であると考えられる.現在,内視鏡学会附置研究会の主導で前向き留置法についてのコンセンサス作りが進んでいるが,今回,承認されたstent(WallFlexTM Colonic Stent;Boston Scientific Corporation)の留置手技について,カニュレーションカテーテルの使用,ガイドワイヤーの選択,スコープ操作,狭窄原因や部位によるstent選択など,留置コツを紹介する.
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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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