日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡室の紹介
国立病院機構 四国がんセンター
責任者:堀伸一郎  〒791-0280 愛媛県松山市南梅本町甲160番
堀 伸一郎
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2016 年 58 巻 9 号 p. 1512-1514

詳細

概要

沿革・特徴

四国がんセンターは,明治22年に陸軍病院として開設,昭和20年に厚生省に移管後,国立松山病院となった.昭和41年に四国地方がんセンターを併設し,昭和54年に国立病院四国がんセンターに改称した.平成16年より独立行政法人国立病院機構 四国がんセンターが発足し,平成18年4月より松山市中心部より現在の地に移転した.当院は,がん政策医療ネットワークの四国ブロック基幹医療施設であるとともに,全国がんセンター協議会加盟施設の一員として,愛媛県の都道府県がん診療連携拠点病院としてがん診療に特化した診療を行っている.消化器内科には計13名の医師が属しており,消化器がん(消化管),消化器がん(肝・胆・膵),内視鏡の3部門にそれぞれ属し,消化器がん診療に特化した診療を行っている.

組織

内視鏡室は,外来診療部に属する検査室という位置づけである.外来部長の下,内視鏡科医長,消化器内科医師が診療に携わっている.内視鏡指導医3名,内視鏡専門医4名,専攻医1名,レジデント1名の計8名の医師が検査,治療を担当している.看護師は外来看護部所属であり,内視鏡専任看護師4名が診療に当たっている.看護師4名のうち2名が内視鏡技師の資格を有している.その他,ME技師,外部委託の内視鏡洗浄係,受付担当事務職員,医療秘書等が診療のサポートを行っている.

検査室レイアウト

 

 

 

当内視鏡室の特徴

内視鏡室は,外来診療を行う2階に位置している.総面積は296.18m2で,検査受付(生理検査室と共用),待合・前処置室,検査室が3室,内視鏡装置を備えた,透視室,リカバリールーム(ベッド3 チェア4),更衣室,大腸前処置室,大腸内視鏡前処置専用トイレ,スタッフルーム,カンファレンスルームからなっている.検査室はそれぞれ,独立しており,患者用出入り口と,スタッフ用出入り口は独立している.内視鏡室のスタッフ用出入り口は患者出入り口とは独立して,通路にもうけられている.スタッフ通路に洗浄機が設置されており,上部消化管,下部消化管を各々3台の内視鏡洗浄機をもちいて洗浄している.内視鏡検査室は,上部消化管,大腸内視鏡検査兼用であり,内視鏡検査,治療(ESD 大腸ポリペクトミー,大腸EMR等)を行っている.透視室は,呼吸器科と共用しており,内視鏡的ステント留置,ERCP,内視鏡的胆道ドレナージ等で使用している.

スタッフ

(2016年3月現在)

医   師:指導医3名,専門医4名,その他スタッフ1名,研修医など2名

内視鏡技師:Ⅰ種2名,その他技師2名

看 護 師:常勤4名

事 務 職:3名

そ の 他:1名

設備・備品

(2016年3月現在)

 

 

実績

(2015年1月~2015年12月まで)

 

 

指導体制,指導方針

四国がんセンターはがん専門病院であり,がん医療に特化した診療を行っている.当院は協力型臨床研究病院であり,初期研修医は常時在籍をしていないため,指導をうける対象となる医師は主に専攻医,レジデントである.現在は,専攻医1名,レジデントが1名在籍している.研修を受ける医師は,それぞれの初期研修施設で内視鏡検査を経験済みである.在籍中のレジデントは,化学療法部門(消化管),肝胆膵部門に所属しており,研修者自らが行う内視鏡検査は,週1日携わっている.治療内視鏡(週1回)も業務に支障が無い範囲で行っている.専攻医,レジデントの内視鏡検査は,内視鏡指導医,専門医がおよそ以下の目標を達成できるよう指導している.

1)上部消化管内視鏡検査を独力で施行し,必要時に上級医の指導を仰ぐことができる.組織生検も部位にかかわらず独力でできる.

2)指導医が施行する大腸内視鏡検査を見学,挿入や治療の介助を行い,大腸内視鏡検査を施行するのに必要な知識を習得する.

3)大腸挿入モデルを使用して,内視鏡操作法に熟練する.

4)指導医が,回盲部まで挿入した大腸内視鏡検査時に抜去時観察を経験する.

5)一定の時間(15分程度)もしくは,被験者が苦痛を訴えない範囲で,大腸内視鏡挿入を行う.検査を施行するだけではなく,自身で施行した内視鏡検査を振り返るため,カンファレンスへ参加し,上級医より適宜指導を行うよう心がけている.

以上の研修に加え,研修者の理解度,習熟度に応じて超音波内視鏡,内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査,胆道ドレナージ,早期消化管腫瘍性病変に対するEMR,ESDなどの術前検査,治療を術者として実際に担当する.

・治療手技だけではなく,治療結果も踏まえた説明もできる.

・国内外の学会に発表し,論文執筆を行う.

などを目標とする.

現状の問題点と今後

①内視鏡専任医師が2名,消化器内科医師が2名,専攻医1名,レジデント1名で内視鏡検査を行っている.内視鏡専任医師は,週3日の通常検査,週1日の治療内視鏡を担当し,消化器内科医,専攻医,レジデントは週1回の内視鏡検査日の検査を担当している.各人の担当日以外に内視鏡検査を行うことは業務の都合もあり,困難である.実臨床では,検査数増を求められているが,現時点では検査数を増やすことは医師,医療スタッフのマンパワーより困難である.通常検査使用する内視鏡検査室は3室あるが,現時点では1日平均2室しか稼動できない.②通常内視鏡検査では大きな問題はないが,ますます高度化,専門化する内視鏡治療を行うに当たっては,明らかに手狭となっている.検査室の拡張や機能の拡充は構造上困難であるため,より効率的なスペースの利用が必要と考える.③近年,先進施設で普及しつつある全身麻酔下の内視鏡治療は,手術室の受け入れ態勢,麻酔科医の数が少ない等の問題があり当院で施行が困難である.④専攻医,レジデントは,それぞれが消化管,肝・胆・膵部門で化学療法の研修を主に行っており,内視鏡専任ではない.先に述べた様に,内視鏡検査日が実質1日しかとれないため,高度な治療内視鏡(特にESD)の研修は困難な状態である.専攻医やレジデントが増えれば内視鏡研修を重点的に行うことは可能だが,当院はがん専門病院という位置づけであり,専攻医やレジデントの飛躍的な増員は望めない.⑤医療スタッフの数は内視鏡室を完全に稼動させるには少なく,検査数を増やすためには医師以外に医療スタッフの増員(内視鏡技師,看護師)が必要である.人員の確保は看護部と常に調整している.⑥鎮静剤を使用して行う通常検査の割合が増えている.現在リカバリーベッドが3台,リカバリーチェアが4台あるが,看護スタッフは前処置,受付を兼任しているため,現在以上に鎮静する患者を増やすことは担当スタッフの負担から考えると困難である.⑦内視鏡部門として,ここ数年で,多施設共同に参加する機会が増えている.症例登録を積極的に行い,新たなエビデンス創出の一助となりたい.⑧今後も,当院の特徴を生かした安全で高度な内視鏡検査,内視鏡治療を行うことができるように活動したい.

 
© 2016 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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