2017 年 59 巻 8 号 p. 1673-1676
昭和45年4月 秋田大学に医学部が設置され,県立中央病院が代用附属病院となる.
昭和46年4月 県立中央病院が国に移管され,医学部附属病院となる.
昭和51年9月 秋田市本道に新病院が完成し移転.
平成16年6月 光学医療診療部が開設され,その後内視鏡・超音波センターと名称が変更される.
組織内視鏡・超音波センターとしては独立しているが,専任の医師はいない.センター長を消化器内科の飯島克則が,副センター長を消化器内科の神万里夫と循環器内科の渡邊博之が兼任している.看護師・内視鏡技師は外来部門所属となっている.
検査室レイアウト

平成21年9月に完成した第2病棟1階に内視鏡・超音波センターが設置された.内視鏡関連部分の総面積は357.3m2で,受付,待合室,前処置室,リカバリー室,検査室,診察室,カンファランス室,器材庫,更衣室などから構成されている.センター内に透視室はないが,中央放射線部は第1病棟1階にあり,内視鏡センターからは直線で段差のない20mほどの距離で,日常診療にそれほど不便はない.
5つの内視鏡室に常設された光源のほかに,病棟出張・透視室用の光源1台,小腸ダブルバルーン内視鏡用の光源1台を所有している.内視鏡室マネージメントシステムはsolemio ENDOが導入されており,スコープの使用履歴・洗浄記録が自動で行われるので管理が容易である.内視鏡検査報告書,内視鏡画像はsolemioの端末からだけではなく,病院の診療端末からも閲覧できるようにしている.各光源に動画記録装置が設置されていて,診療端末からは記録された動画だけでなく,現在行われている内視鏡のライブ動画も見ることが可能である.また,病院病理部のご厚意により消化管の検体の場合は,すべての切片をバーチャルスライドスキャナに取り込んでいただいており,電子カルテの病理検査システムから専用ソフトで観察できるようになっている.診療端末があれば,動画,静止画,病理組織所見が確認できるので,カンファランスには非常に有用である.
内視鏡検査は基本的に完全予約制で,なるべくハイビジョンスコープを使用するようにしており,経鼻内視鏡はあまり行っていない.秋田市は公共交通機関が発達しておらず,ほとんどの人が自家用車で来院するため,外来で鎮静下に行うのは胆膵系のEUSや一部の食道拡張術などに限っている.その場合はもちろん自動車の運転は控えていただいている.治療内容としては食道ESD症例が多いのが特徴で,亜全周切除例も多く,結果的に食道拡張術の件数も増加している.ここ数年はEUS-FNAの件数も増えてきている.
(平成29年4月現在)
医 師:指導医2名,専門医11名,他9名
内視鏡技師:Ⅰ種1名
看 護 師:5名
洗浄助手:1名
受付業務:2名
(平成29年3月現在)

(2016年1月~2016年12月まで)

研修指定病院なので初期研修医がローテートしてくるが,その期間はほとんどの場合2カ月と短い.内視鏡の原理や仕組みを理解しその取扱いを覚え,生検の介助から始めて,ESDなどの治療内視鏡の助手を担当してもらう.上部消化管モデルや,附属病院シミュレーション教育センターにある内視鏡シミュレーター(AccuTouch)を自由に使用できる.トレーニングの結果一定レベルに達していると判断されれば,病棟受け持ち患者の内視鏡検査時に上級医の指導の下,引き抜き操作を経験できるようにしている.しかし,短い期間ではそれ以上の研修は難しい.
後期研修医はこれまで,1~2年間は関連病院で研修することが多かったので,大学にきた時点で基本的な内視鏡手技は習得できていた.大学で後期研修を始める場合は,まずルーチンの上部消化管内視鏡検査を覚え,次にコロンモデルでトレーニングを積んだ後,実際に下部消化管内視鏡検査ができるように研修する.年度終了時までに,上級医の指導の下であれば止血術,大腸ポリペクトミーができることが目標となる.
その後は自分の専門を決め,それぞれのグループでERCP,EUS,ESDなどの専門性の高い手技の習得を目指す.
年に1-2回ブタ切除胃,あるいは生体ブタを用いたESDセミナーを開催しており,県内の若手医師が多数参加している.
週1回内視鏡カンファランスと肝胆膵カンファランスを行っている.また,週1回食道外科,消化器外科ともカンファランスを行っている.外科カンファランスには放射線科,腫瘍内科も参加していて,ディスカッションを通じて治療方針を検討している.
旧病棟の内視鏡室があまりに狭く,設備も貧弱であったため,内視鏡・超音波センターができた時はこの上なく快適であった.7年経ってみると,ESDの件数は倍増し,EUS-FNAも増え,色々な治療を並列で行うことが多くなった.どこかを削ってでも各内視鏡室をもう少しずつ広めにするべきであったと今になって感じている.センター開設前からの機器もあり,全体にスコープのラインナップが古めである.少しずつ新しいものに切り替えていけるように要望している.
通常の内視鏡検査予約枠は1カ月待たないくらい,早く行う必要のある検査は臨時枠ですぐに対応できているが,ESD入院は2カ月前後待っていただいているのが現状である.外科手術のように施行日を決めて計画的に入院してくるのが理想的であるが,他病棟の理解と協力が必要であり実現は困難かもしれない.
看護師は外来部門所属なので,一定時間以上の残業をしてしまうと代休を取らなければいけなくなる.そのため治療が長引いたときは,途中で救急外来の看護師に引き継ぐ体制がとられている.大学病院なので介助につく医師の確保は容易でありそれほど問題はないが,やはり内視鏡治療をよく理解している看護師についてもらった方が業務を行いやすい.時間がかかりそうな治療は,なるべく早く開始するように心掛けている.
当院は食道ESDだけではなく,食道癌の外科的治療,放射線化学療法(CRT)症例が多い.CRT後遺残病変に対してはSM1までであればsalvage ESDを行ってきたが,SM2以深の遺残も少なくない.今後光線力学療法(PDT)の導入を予定しているが,各内視鏡室は広めのブースでバックヤードがつながっており,PDTが行える個室を確保する必要がある.
今まではこのような体制で,卒後4~5年目から専門性の高い研修を始めることが可能であった.新内科専門医制度開始後はどのような研修が可能なのか,早めに対応を検討する必要がある.