日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡室の紹介
松島病院大腸肛門病センター 松島クリニック汐留
責任者:高橋敬二  〒105-0022 東京都港区海岸1-1-1 アクティ汐留2階
高橋 敬二
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2018 年 60 巻 12 号 p. 2545-2547

詳細

概要

沿革・特徴など

1924年に地域の診療所として松島病院が設立され,1935年より痔疾患の治療を専門に行うようになった.その後,肛門部疾患のみならず,直腸や結腸の疾患が多く認められたため,それまでの注腸造影検査に加え,1979年から全大腸内視鏡検査(以下,total colonoscopy:TCS)を導入し,1987年に大腸内視鏡検査・治療の専門施設として松島クリニックを新たに開設した.現在では,年間20,000件を超える大腸内視鏡検査と年間2,500件を超える大腸内視鏡治療の実績を有するほどに成長してきたが,東京・埼玉・千葉などの他県から横浜に来院される方々からの要望もあり,2018年2月に松島クリニック汐留を開院するに至った.松島クリニック汐留は,松島クリニックにおける約30年間の診療から培われた内視鏡検査(大腸・胃)の専門性はそのままに,最新の内視鏡機器を揃え,内視鏡専門医の卓越した技術による高度な診療を行っている.また,簡便な内視鏡検査を実現すべく,新たな内視鏡予約システム「カルナコネクト」を導入した.

組織

恵仁会松島病院大腸肛門病センターには松島病院を筆頭に,グループ施設として横浜の松島クリニックと当院がある.横浜の松島クリニック同様,内視鏡専門医による検査および治療を行っている.また,医師,看護師と事務職員が連携して内視鏡業務ならびに外来業務を行っている.

検査室レイアウト

 

 

 

当内視鏡室の特徴

内視鏡室は2室あり,1室にはFUJIFILM社製LASEREO7000システム,もう1室にはOlympus社製EVIS LUCERA ELITEシステムを有しており,症例によりスコープを選択している.また,内視鏡室はそれぞれ機能的に独立しており,各室にモニターや処置に必要な機材を準備している.

スタッフ

(2018年5月31日現在)

医   師:指導医3名,専門医1名

内視鏡技師:Ⅰ種1名

看 護 師:常勤1名,非常勤1名

事 務 職:常勤1名,非常勤1名

※通常,医師1名,看護師1名,事務職員2名体制

設備・備品

(2018年5月31日現在)

 

 

実績

(2018年2月1日~2018年5月31日まで)

 

 

指導体制,指導方針

当院は横浜の松島クリニック同様,大学病院や総合病院と異なり,臨床研修制度はない.現在のところ医師1人による診療体制となっているため,受け入れ不可能である.しかし,今後は人的リソースの投入が可能となれば,研修施設として貢献したいと考えている.

現状の問題点と今後

横浜の松島クリニック同様,内視鏡専門施設として地域医療に貢献していきたいと考えているが,現在のところ,医師1名,看護師1名による診療体制となっているため,外来診療と内視鏡診療を両立させるには限界がある.しかし近い将来,医師2~3名,看護師2名体制とし,内視鏡専門施設としての地位を確立させたいと考えている.

具体的には,年間約2,000~2,500件(1日当たり約6~8件)の上部消化管内視鏡検査および年間約5,000~6,000件(1日当たり約18~20件)の大腸内視鏡検査を行っていきたいと考えているが,その実現のためには新たな内視鏡予約システム「カルナコネクト」をより拡充していく必要がある.カルナコネクトとは,医療機関同士を結ぶクラウド型の地域医療連携システムで,検査予約や診療予約をはじめ,検査結果画像や診療結果を送信する機能を有する.他施設からカルナコネクトを通して紹介があれば,予約のための事前来院なしで当日内視鏡検査が可能となり,それにより受診率の向上が見込まれ,当院にも受診者にもメリットがある.しかしながら,現時点ではカルナコネクトの導入は21施設にとどまっており,実際,カルナコネクトを通しての予約は3件しかなかった.病院やクリニックからの紹介では,カルナコネクトより電話での問い合わせが圧倒的に多く,システムの性質上,病院やクリニックより企業検診において利便性が高いことが予想される.それは,企業検診で多数の内視鏡予約枠が必要となった場合,一度に予約状況の確認と予約枠が確保できるからである.そのため,今後はより企業検診に的を絞ってカルナコネクト導入の営業活動を展開していく予定である.

 
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