2025 年 67 巻 9 号 p. 1509
【背景】小腸病変を有するクローン病(Crohn’s disease,CD)において,deep remissionの評価は依然として困難である.本研究の目的は,ダブルバルーン内視鏡(double-balloon enteroscopy,DBE)施行中,管腔内超音波カテーテルを用いたEUS(DBE-EUS)によって,CD小腸病変の内視鏡的寛解と活動性状態を鑑別できるか検討することであった.
【方法】DBE-EUSを受けたCD患者を,セグメント別Simple Endoscopic Score for Crohn’s Disease(SES-CD)に基づいて,内視鏡的寛解群と内視鏡的活動群に分けた.小腸壁の厚みやその他の指標をEUSで評価した.
【結果】DBE-EUSにより,活動群では,総壁厚(TWT)および粘膜下層厚(SMT)が,寛解群に比べて有意に厚いことが示された(TWT:3.84±1.02mm vs 2.42±0.25mm,SMT:1.23±0.34mm vs 0.79±0.13mm,いずれもP<.001).TWTが2.65mm,SMTが0.95mmというカットオフ値で,活動性CDと寛解期CDを識別でき,TWTでは感度91.5%,特異度80.8%,SMTでは感度70.2%,特異度88.6%という結果であった.さらに,TWTとSES-CDとの間には強い正の相関(r=0.930,P<.001)が認められた.同様に,TWTは便中カルプロテクチン(r=0.861,P<.001)およびCrohn’s Disease Activity Index(CDAI)(r=0.805,P<.001)とも強い相関を示した.SMTに関しても同様の傾向が認められた.
【結語】DBE-EUSは,小腸型CD患者における粘膜治癒およびtransmural healingの評価に有用と考えた.