抄録
著者は過去9年間早期胃癌発見を目ざして,1965年2月より1973年末までの間に台北市立仁愛医院内科において胃部不快感等を訴える患者に対し各種内視鏡,FGS-A,GT-V,GT-Va,FGS-B,FGS-S,FES-L,FGS-CL,FGS-SL,FDS,PFS,JF-Bを使用した胃内視鏡検査を約9120回施行した。その結果,早期胃癌19例計25病巣及び進行胃癌281例,胃潰瘍1047例,胃ポリープ60例等の診断成績を得た。胃癌に関しては全体としては進行胃癌14対早期胃癌1の比率となったが,その比は1973年度には11対1となり近年早期胃癌例数が急激に増加している現状を示している。早期胃癌の病型としては隆起型が9病巣,陥凹型が16病巣,多発例が2,単発例が17であった。2cm大以下を小胃癌とすれば病巣,1cm大以下を微小胃癌とすれば12病巣となり,そのうち4病巣は胃前庭部にIIa型が多発していた。