1974 年 16 巻 6 号 p. 719-743
内視鏡的胆管造影を施行した胆道疾患254例を対象に,本法による肛石症の診断成績を検討した。胆石症では,146例中,120例82%の高率に胆管像が得られ,ことに直接造影の望まれる総胆管および肝内結石例の胆管造:影成功率は,それぞれ,84%および100%とより高率であった。さらに,本法により,従来看過されていた傍乳頭総胆管十二指腸瘻の25例を診断し,2型に分類した。すなわち,壁内胆管部にある小さな瘻孔をI型,壁外肛管部の末端部にある大きい瘻孔をII型とし,両型の違いを嵌頓胆石の大小に基くものとした。