日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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十二指腸潰瘍の再発に関する検討
―維持療法下の再発と血清ペプシノーゲンI値―
忌部 明隅井 浩治上村 直実木村 学春間 賢徳毛 健治大越 裕章豊島 仁福原 一作村上 信三梶山 梧朗
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1987 年 29 巻 10 号 p. 2200-2206

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抄録
60歳未満のDU195例を対象に,初診時のPGIおよび維持療法の状況(I群:完全継続群,II群:不完全継続群,III群:まったく維持療法を行わなかった群)を調べ,DU治癒後1年以内の再発への関与について検討し,以下の結果を得た.1)PGI<68ng/mlのものでは維持療法の状況に関係なく,ほとんど再発を認めなかった。2)68ng/ml≦PGI<95ng/mlでは,1群の再発率は13.3%と低値であるが,III群29.4%,II群45.2%と高率に再発がみられた.3)95ng/ml≦PGI<141ng/mlでは,II群の再発率80.8%,III群では73.3%と高率であるが,I群では33.3%で再発率は有意に低下していた.4)PGI≧141ng/mlでは,II群,III群では全例,1群でも66.7%と高率に再発がみられた.以上より,初診時のPGI測定は,維持療法の程度を決定する際の指標として有用と考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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