日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃梅毒の1例
重松 忠福井 和彦前田 ひとみ田辺 昇鮫島 庸一立松 恵子春日井 達造西川 和久加藤 肇服部 和彦
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1988 年 30 巻 11 号 p. 2642-2646

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抄録

症例は27歳の男性で上腹部痛を主訴に来院.胃X線検査で胃角の軽度の変形と不整型潰瘍が認められた.胃内視鏡検査では胃角に粘膜ヒダの集中を伴う不整型潰瘍を認め胃癌,胃悪性リンパ腫が疑われた.胃生検では非特異的慢性炎症を認めたが悪性所見は認められなかった.繰り返し施行した胃生検でも悪性所見は陰性で,梅毒血清反応が陽性であり,ソケイ部のリンパ節の腫大より胃梅毒を疑った.駆梅療法(penicillin)を施行したところ,すみやかな自覚症状,胃X線・内視鏡所見の改善が認められた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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