日本消化器内視鏡学会雑誌
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続発性アミロイドーシスによるネフローゼ症候群を伴ったCrohn病の1例
高島 洋木須 達郎山岡 宏太郎内田 康文森 久男小池 由美子野尻 五千穂宮原 晋一
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1990 年 32 巻 10 号 p. 2393-2398_1

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抄録
症例は28歳,男性.主訴は水様下痢.1985年1月,両下肢に浮腫が出現し,ネフローゼ症候群と診断された.1986年6月より1日数回の水様下痢が出現したため,1987年1月入院した.小腸,大腸の消化管造影,内視鏡検査および生検により,Crohn病と診断した.また,この時粘膜下層にアミロイド沈着が認められ,蛋白分析の結果AAタイプで,続発性アミロイドーシスと考えられたが,他に基礎疾患が認められず,潜在性に存在していたCrohn病に基づく続発性のアミロイドーシスと考えられた.Crohn病の診断の約1年半前に,腎アミロイドーシスによると思われるネフローゼ症候群が先行した興味ある1例と考えられる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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