日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
平坦・陥凹型胃腺腫の臨床病理学的検討
山田 至人大井田 正人小泉 和三郎西元寺 克禮中 英男
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 33 巻 4 号 p. 659-673

詳細
抄録
 平坦型胃腺腫13病巣,陥凹型胃腺腫18病巣を対象に,臨床病理組織学的特徴を検討した. 陥凹型腺腫の内視鏡的特徴は,周囲に比較的粗大な結節を有する,境界不明瞭な淡い発赤として観察され,陥凹底は平坦で,辺縁における移行はなだらかであった.平坦型の多くは微小病変で,内視鏡で存在診断すら出来なかったことから,色調変化に乏しいと思われた. 病理組織学的検討では,平均最大径は,平坦型が5.1±6.6mmと,陥凹型の11.4±5.6mmに比べ有意に小さかった.また,平坦型腺腫の発育は粘膜表層にとどまり,腺腫深部の嚢胞状拡張腺管は小さく,全体に認められた.一方,陥凹型の発育は粘膜全層におよび,拡張腺管は辺縁に大きなものが存在する傾向にあった. 以上のことから,胃腺腫は細胞増殖帯に発生し,深層腺管のうち異型腺管により導管の狭窄をきたしたものが嚢胞状に拡張するが,腺腫増大により細胞増殖帯全層が置換されると,拡張腺管は縮小,消失する.この様に,陥凹型腺腫は,平坦型腺腫が落ち込み陥凹するという発育形式により出現する可能性を推論した.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
次の記事
feedback
Top