抄録
内視鏡での大腸小病変の発見能の向上を目的に,インジゴカルミン原末0.3gをカプセルに入れ,ゴライテリー液による前処置と併用して服用し,色素大腸内視鏡検査を施行した.腹部愁訴の精査のために大腸内視鏡検査を受けた201例中,色素カプセル併用群(A群98例),無併用群(B群103例)の間で比較検討した.ポリープ病変の発見群はA群(41.8%),B群(22.3%)と,併用群に有意に高率に発見された.組織学的に腫瘍性ポリープ病変の発見率もA群(36.7%),B群(18.4%)と有意差を認めた.腫瘍性ポリープの肉眼型は,A群は扁平,無茎型が有意に多かった.さらに無症状群165例の検討でも,腫瘍性ポリープの発見率がA群(17.3%),B群(7.8%)と有意に高率に発見された.本法は従来の色素法に比べ非常に簡便で,しかも大腸小病変の発見能の向上に有用であり,ルーチン検査として十分活用できるものと考えられた.