抄録
症例は55歳,男性.腹部膨満感を主訴として受診.腹部単純X線写真で左上腹部に砂粒状を呈する著明な石灰化陰影を認めた.腹部超音波およびCT検査にて胃壁内の石灰化像と判明し,上部消化管X線および内視鏡検査で,石灰化を伴ったBorrmann4型胃癌と診断した.生検では印環細胞癌が,剖検では膠様腺癌が主体を占めていた.腹部単純X線上石灰化像を認めた胃癌の本邦報告例は自験例も含めて64例である.その特徴は,若年女性に多く,肉眼型はBorrmann3型と4型が多くみられる.組織型は膠様腺癌,印環細胞癌が多く一般的に予後不良である.