日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
DSS大腸炎モデルにおける肥満細胞動態に関する研究
岩井 淳浩
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 37 巻 2 号 p. 255-269

詳細
抄録
 デキストラン硫酸ナトリウム(以下DSS)には肥満細胞の脱顆粒をきたす作用があり,潰瘍性大腸炎急性増悪モデルとしてDSS大腸炎大腸炎ラットを作成し,肥満細胞動態を検討し以下の結果を得た. 1.DSS大量短期投与にてCTMC(connective tissue mast cell)の減少を認め,少量長期投与にてCTMCの増加を認めた.これは継続的なDSSによる刺激によって肥満細胞の再生・増殖が亢進した結果と考えられた. 2.DSS大腸炎においてヒスタミンは,炎症抑制的に作用している可能性が示唆された. 3.DSS大腸炎の成因の一つとして肥満細胞脱顆粒が関与し,ヒスタミン以外の肥満細胞由来のメディエーターが炎症を拡大させて行くものと考えられた. 4.以上のことは,即時型アレルギーが関与する(肥満細胞脱顆粒の関与する)といわれる潰瘍性大腸炎の急性増悪期において,脱顆粒抑制剤が有効である可能性を示唆するものと考えられた.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
次の記事
feedback
Top