日本消化器内視鏡学会雑誌
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大腸内視鏡検査を契機に発見されたTangier病の1家系
矢作 和也松本 純一橋本 良明神田 大輔丸山 秀樹荒井 泰道
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1998 年 40 巻 4 号 p. 692-698

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抄録
 症例は40歳,女性.主訴は血便.大腸内視鏡検査にて,全大腸はびまん性,連続性に黄白色に混濁しており,更に軽度陥凹した微小褐色斑が多発していた.また終末回腸には偏側性に黄色混濁面を認めた.生検上,粘膜固有層に集簇する泡沫細胞が存在した.脂質検査を行ったところ,HDL-ch,αリボ蛋白,アポA-Iが著明に減少しており,Tangier病と診断した.家系調査にて,37歳の妹が同様の脂質検査値と大腸内視鏡像を示した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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