日本消化器内視鏡学会雑誌
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食道静脈瘤症例におけるカラードプラ超音波内視鏡を用いた左胃静脈の形態および血行動態の観察
日野 昌力角谷 宏千葉井 基泰山本 学蜂谷 公敏増田 勝紀鈴木 博昭
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1999 年 41 巻 1 号 p. 21-28

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抄録
 食道静脈瘤患者30例に対しCD-EUSを施行し,LGVの形態と血行動態を観察した. LGVは, 28例(93.3%)で描出可能であり,その血管径は2.2-15.4mm(平均6.1±3.4mm)であった.LGVは噴門部近くで前枝および後枝に分枝しており,後枝は傍食道静脈に連続していた.分枝形態から前枝優位型,両枝型,後枝優位型に分類でき,その割合は52, 20, 28%であった.治療の有無別でみると,既治療例で後枝優位型が増加していた.また,傍食道静脈は後枝優位型で最も発達していた.カラードプラ法による検討では,23例(82.1%)で血流シグナルが検出でき,うち22例が遠肝性であった.また,このうち19例で血流速度の計測が可能で,3.0~25.1cm/sec(平均11.6±6.3cm/sec)であった.CD-EUSはLGVの形態と血行動態の詳細な評価が可能であり,食道静脈瘤の病態解明において有用な検査法であると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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