日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的吸引粘膜切除法にて診断しえた胃顆粒細胞腫の1例
勝島 慎二西原 謙木村 利幸猪熊 哲朗永島 美樹山東 剛裕谷口 敏雄
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2003 年 45 巻 8 号 p. 1232-1237

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抄録
症例は55歳,男性.45歳時の健診では異常無く,50歳時に初めて径12mm大の粘膜下腫瘍を指摘,4年後に丈の増高が疑われて超音波内視鏡検査を施行.腫瘍は粘膜下層に限局した低エコー腫瘤であった.高ガストリン血症やA型胃炎がなく,散発性カルチノイドを疑ったが,生検では診断できず,完全生検目的で内視鏡的吸引粘膜切除法を施行.組織学的に好酸性顆粒を含む豊かな胞体を有する多角形細胞の増殖が見られ,S100抗体陽性で顆粒細胞腫と診断した.今後粘膜下層の低エコー腫瘤を認めた場合,カルチノイドの他に顆粒細胞腫も考慮し,生検で組織診が得られない場合で腫瘍径2cm以下の場合は完全生検目的で内視鏡的切除を、試みるべきと考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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