2004 年 46 巻 4 号 p. 911-918
昭和56年以降に判決が出された消化器内視鏡検査・治療が関係した民事裁判判決10例をリスクマネジメントの観点から検討した.これら判決文を検討を通して,消化器内視鏡治療・検査における現時点での,(1)具体的な予見義務や回避義務の内容と,必要な知識や技術,(2)患者側に行うべき指導や説明等の内容,を明らかにした,また,広島大学光学医療診療部のカンファレンスにおける裁判事例検討の取り組みを紹介した.内視鏡検査・治療施行者に負わされている注意義務や説明義務の内容を,われわれ自ら.具体的に確認していく作業は,リスクマネジメントの観点から非常に有意義と思われた.