日本消化器内視鏡学会雑誌
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食道静脈瘤における電子ラジアル型内視鏡的超音波力ラードプラ法の使用経験
佐藤 隆啓山崎 克豊川 成司狩野 吉康大村 卓味赤池 淳桑田 靖昭須賀 俊博
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2004 年 46 巻 8 号 p. 1522-1526

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抄録
食道静脈瘤における電子ラジアル型内視鏡的.超音波カラードプラ法(ECDUS)の使用経験について述べる.13例の食道静脈瘤症例を対象とした.使用装置はPentax EG3630-UR(直視),先端部径は12mmで,電子ラジアル型トランスデュサーを具備し,周波数は5.07.5,10.0MHzの切り換えが可能である.B-モード,カラードプラ,パワードプラによる観察を行なえる.超音波観測装置はHitachi EUB6500で走査角は270度である.食道静脈瘤,傍食道静脈,貫通血管の血流信号の観察を行なった.食道静脈瘤,傍食道静脈の血流信号は13例全例で観察できた.また,貫通血管の血流信号は13例中4例(30.8%)で検出可能であった.食道静脈瘤の血流速度は3.0~11.7%cm/sec(平均6.3cm/sec)であった.内視鏡機能の観察方向が直視であることより挿人は容易になったが,先端硬性部が長いためスコープの反転走査に難があった.血流信号の検出率に関して電子ラジアル型ECDUSは従来のコンベックス型ECDUSと同等の成績であった.電子ラジアル型ECDUSは内視鏡機能の観察方向が直視で,走査角が270度という利点を併せ持った検査法である.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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