現代ファイナンス
Online ISSN : 2433-4464
論文
イン・ザ・マネーになった経済理論
小林 孝雄Terry A. Marsh
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ジャーナル オープンアクセス

1998 年 3 巻 p. 3-14

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抄録

昨年10月,ロバート・マートン現ハーバード大学ビジネス・スクール教授とマイロン・ショールズ現スタンフォード大学ビジネス・スクール教授に1997年度のノーベル経済学賞が授与された.スウェーデン王立科学アカデミーが発表した授与理由を引用すると,「ニ人は,故フィッシャー・ブラックも加わった共同研究において,株式オプションの価値を示す画期的な公式を発見した.彼らが開発した方法は,経済的な価値を算出する一般的な方法として多方面で利用されるようになった.さらに,彼らの発見はさまざまの新しい金融装置を誕生させ,リスク・コントロールの面で社会の効率性を促進させることを通じて,経済社会にも大きく貢献した」ということである.

マートン教授は,1990年度に同賞を受賞されたウィリアム・シャープ教授,マートン・ミラー教授とならんで,日本ファイナンス学会の海外顧問を勤めていただいている方であり,今回の出来事は『現代ファイナンス』の読者にとっても大変めでたいことである.この小論は,お二人の業績を整理しその意義を論じて両教授のノーベル経済学賞受賞のお祝いとするために,著者二人が寄稿したものである.

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© 1998 日本ファイナンス学会/MPTフォーラム
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