2013 年 36 巻 1 号 p. 19-22
要 旨
震災を契機に日本人と医療について考察した. 日本人は以前よりつながりを重視する文化を有していた. これはリスクを回避する役割があり, 重大な災害時でも秩序だった行動を可能にした. このような文化を有する日本人は欧米流の契約を主体としたプロフェッショナリズムを完全に受容しているわけではなく, むしろ「義理」や「人情」といったつながりを基盤とした思考に行動を規定されているのではないかと考えた. 我々日本人は日本の文化的基盤に即したプロフェッショナリズムを構築する必要があると考えた.