日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
調剤薬局における薬剤師のラニナミビルオクタン酸エステル吸入剤の吸入指導と服薬実態調査
岡田 政彦原 将充橋田 哲郎岡山 恵子森川 宏二品田 昭彦松下 良
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2013 年 36 巻 2 号 p. 106-109

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抄録

要 旨
目的 : ラニナミビルオクタン酸エステルは吸入投与でかつ1回で投薬が完了する新規の抗インフルエンザ薬であり, 用量調節も簡便である. 一方, 吸入は失敗することが予想される. そこで吸入成功率を明らかにするために本研究を行った.
方法 : ラニナミビルオクタン酸エステルが処方された4歳から66歳までの患者159人に対し, 吸入方法を説明した後に吸入操作を薬剤師が観察しておおむね75%以上吸入できたと判断されたものを吸入成功と定義し, 吸入量が75%未満と判断されたものを不成功として2段階で評価した.
結果 : 患者の最年少は4歳で評価は不成功と判定され, 成功と判定された最年少は5歳であった. 薬局間で成功率には有意差が無かったが9歳以下の成功率は88.9%であり, 10歳以上の群の97.9%と比較して有意に低かった.
結論 : 本調査で9歳以下ではラニナミビルオクタン酸エステルは吸入不成功例が多いことが明らかとなった.

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© 2013 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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