2018 年 41 巻 4 号 p. 184-190
近年,米国を中心にPoint-of-care超音波(Point-of-care ultrasound:POCUS)という概念が浸透しつつある.これは問診や身体診察を基に組み立てた診断仮説を解決することに絞って,短時間で行う超音波検査である.本概念は救急領域や専門科で発展し,プライマリ・ケア領域にも広がりを見せている.日本のプライマリ・ケア診療では,超音波検査の重要性が90年代から強調されてきたが,POCUSはまだあまり認知されておらず,CTやMRIといった高度な画像検査に依存している.プライマリ・ケアにPOCUSを取り入れる有用性に関する報告は相次いでいるが,最大の障壁として技術習得のための資源の欠如と診療中の検査時間確保などが指摘されている.日本のプライマリ・ケア医の活躍の場は多岐に渡るが,文脈に沿ったPOCUSの活用方法を定義し,カリキュラムを作成することが必要である.