2019 年 42 巻 1 号 p. 40-46
目的:日本の家庭医が信頼関係を構築した上で実際に診療所において行っている家族介入の内容を明らかにすること.
方法:1年以上の診療所の常勤経験を持つ家庭医を対象に,半構造化フォーカスグループディスカッションを行った.その内容をVTRに録画し,2名の分析者が内容分析を行い,参加者チェック及び公募による外部チェックを行った.
結果:日本の家庭医の診療所における家族介入の内容は「仮説検証の繰り返しと一般化を中心とした安全な介入」「仕切り直し」「『来院時は拒まず』という姿勢での患者,家族との協働」であった.そのアウトカムとして患者の気づき,わかってもらえたという表情,感情表出が挙げられた.またいずれの医師も家族介入を行っているという積極的なPRを敢えて行っていなかった.今後の課題として失敗例のケーススタディが挙げられた.
結論:日本の家庭医は診療所において3段階の家族介入を行っていたことが明らかになった.