目的:外来看護師は,がんと診断された患者が手術療法を決定する際の意思決定支援をどのように認識し実践しているか明らかにする.
方法:A県2施設8名の外来看護師を対象とし,インタビューを行い,質的帰納的に分析した.
結果:意思決定支援の認識として4つのカテゴリーが抽出された.がんと診断された患者が手術療法を決定する際の支援は必要だが,業務優先にせざるを得ず【意思決定支援する環境が整わず難しい】と認識していた.その状況の中,業務を利用して【支援の必要な患者をみつける】ことを行い,気になる患者に【組織で連携する】ことで,【納得した意思決定を支援する】ことを行っていた.
結論:外来看護師がより積極的に患者の意思決定を支援できるためには,組織的な人員の確保,面談室の整備,意思決定支援の技能向上のための教育,さらにはこれらの整備を行う具体的な方針制定の必要性が示唆された.