日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
Print ISSN : 2185-2928
ISSN-L : 2185-2928
特集:新型コロナウイルスパンデミックにおける日本のプライマリ・ケア[原著(症例報告)]
Point-of-care超音波(POCUS)をきっかけに診断した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の1例
水間 美宏
著者情報
ジャーナル フリー
電子付録

2020 年 43 巻 4 号 p. 155-157

詳細
抄録

目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大し,海外では臨床医自ら患者の傍らで行なうPoint-of-care超音波(POCUS)の有用性が報告されるが,我国での報告はまだ見当たらない.そこで発熱外来で聴診に続く身体検査として行なったPOCUSで異常を認め,COVID-19と診断された1例を報告する.

方法:2020年3月9日から5月16日までの発熱外来受診者265名のうち,著者が診察した37名全員に呼吸器POCUSを実施した.

結果:1例のPOCUSで癒合したB-ラインを認め,胸部CTでスリガラス影を認めPCR陽性でCOVID-19と診断した.

結論:POCUSの精度は聴診や胸部単純X線より優れ,胸部CTは肺炎を早期診断できるがPOCUSに比べ院内感染が問題とされる.CTが普及する我国でも院内感染のためすぐCTを実施し難い状況下,POCUSを身体検査に加えることも選択肢となり得る.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top