言語研究
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Print ISSN : 0024-3914
論文
出来事の発生を表す「~がある」文
久保田 一充
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2017 年 151 巻 p. 37-62

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抄録

本論文は,動詞的名詞(VN)をガ格名詞に据える動的な「~がある」文(「出来事発生文VN」)を考察対象として取り上げ,その特徴を詳細に記述する。出来事発生文の「ある」は,存在文の状態的な「ある」との対比で,単に「動的」だと特徴づけられてきたが,動態性の比較的弱いものと比較的強いものがあることを論じ,この言語事実をもとに,出来事発生文VNを一般発生類と逆行類の2類に大別する。そして,この2類型について,構文形式・意味,表現の客観性,VNの項具現,「ある」の意味などに注目して,多角的な特徴づけを行う。また,2類型の「ある」の機能的性質にも着目し,動態性と項認可能力とを機能的性質と関係づけ,一般発生類の「ある」は機能的性質が比較的弱く,逆行類の「ある」は機能的性質が比較的強いことを確認する*。

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© 日本言語学会, 著者
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