言語研究
Online ISSN : 2185-6710
Print ISSN : 0024-3914
対立構文の認知言語学的分析
新里 留美子
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1996 年 1996 巻 109 号 p. 1-23

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抄録

本稿ではまずBolingerが英語のはだか不定詞とto不定詞の分析に使ったpercept/conceptという区分が射程距離のかなり大きいものであり,一見無関係に見える対立構文の分析に有効であることを示す.ここで言う対立構文とは日本語の「の」と「こと」の補文標識の対立,単純時制と完了形の対立,英語と中国語の二種の存在文,タイ語の二種のコピュラ文,evidentialsの対立などである.又,以上の分析を通し,percept/conceptの対立がいくつかの要素に掘り下げられ,さらにpercept/conceptを貫く個々の要素間には関連性があることも述べる.

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