1997 年 1997 巻 112 号 p. 66-97
ハルハ・モンゴル語では,Japon‹日本›→japon Mapon‹日本とか›のように,単語全体を繰り返し,後ろの単語を/m/で始めるリデュープリケーションが,非常に生産的である.derivationやinflexionなどのword formationとの関わりを観察すと,derivation→compounding→reduplication→inflexionという文法の構成が明らかになる.また,[XY]という構造があるとき,リデュープリケーションによって[XYY]となるのか,[XXY]となるのか,[XYXY]となるのかは,その内部構造と深く関わっていること,さらに,ストレスやピッチとの関わりもあることが,明らかになった.