源流
Print ISSN : 1345-3610
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分子メモリーと複合ナノコンポジット
阿波賀 邦夫
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2001 年 2001 巻 3 号 p. 14-18

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抄録

分子レベルの電子デバイス開発の基礎として、分子レベルでのメモリー効果の研究を行い、次の二つの成果を得た。1)有機物と無機物の中間的物質とも言えるTTTA合成し、常磁性磁化率の温度依存性について観察したところ、常磁性を示す高温相と反磁性を示す低温相の間で約100Kのヒステリシスを伴う一次相転移が観測された。TTTAは室温双安定性を示す有機ラジカル結晶であることを発見した。2)Mn12核クラスター錯体は、ブロッキング温度以下で磁化曲線に強磁性体が示すようなヒステリシスを現し、単分子メモリーへの応用が関心を集めている。この分子の構造と磁気特性を検討したところ、Mn3価サイトのひとつの構造異常がブロッキング温度を大きく左右することを見いだした。分子構造と磁化ブロッキングとの相関を初めて示すことができた。

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