金属液体を通常の速度で融点以下に冷却する時、過冷却液体は不安定となり、直ちに結晶に凝固し、バルク金属材料は例外なく結晶相で構成されていたが、最近、0.01~100K/sのゆっくりとした冷却速度においても過冷却液体の結晶化がおきず、液体構造が保持され、金属ガラスがバルク形状材として生成する新現象が見出されている。この発見は、これまでの金属物質学の常識を根底から覆すものであり、安定化過冷却液体の構造、安定化機構の究明および安定化現象の利用によるバルク形状の金属ガラス,ナノ結晶分散金属ガラス、ナノ準結晶分散金属ガラスなどの新構造、新組織金属材料の創製と高機能な新規工業材料の可能性が期待される。