日本地球化学会年会要旨集
2005年度日本地球化学会第52回年会講演要旨集
セッションID: 2P17
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堆積物
鹿児島湾並びに島原湾海底堆積物における微量元素の分布と挙動
*本多 照幸佐藤 裕介
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抄録

鹿児島湾及び島原湾海底堆積物コア試料の微量元素等を中性子放射化分析等により定量し、両海底堆積物における堆積環境について解明することを目的とした。その結果、(1)鹿児島湾堆積物は、1-2層目にかけてMn濃度が減少しているが、Feには大きな変化が見られないことから、弱い還元環境にあるものと思われる。また、Th-U比-Ce/U比の相関図から、下層ほど強い還元環境にあることが示唆された。(2)島原湾堆積物は、1-3層目にかけてMn、Fe濃度が上昇しており、強い酸化環境にあることが示唆された。このことは、Th/U比-Ce/U比の相関図において、2、3層目が特に高いことと一致した。(3)Th/Sc比は島原湾で高い値を示した。これは、島原湾へは花崗岩の風化物等が河川から流入し、堆積物に影響していることが考えられる。(4)鹿児島湾堆積物は、島原湾に比べMn濃度が3-9倍、Sb濃度が3-5倍高く、桜島の噴火活動等が影響している可能性が高い。

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© 2005 日本地球化学会
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