日本地球化学会年会要旨集
2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
セッションID: 2B08 20-14
会議情報
有機地球化学
堆積物のキノン分析による細菌の古生産性および群集組成の復元:予察的研究
*沢田 健
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

本研究では,堆積物中のイソプレノイドキノンという化合物に着目する。キノンは微生物の呼吸または光合成系の必須電子伝達物質であり,真核生物からアーキア,バクテリアにまたがって広く分布し,かつ構造が分類群によって異なることから,キノン組成によって広い分類群の細菌群集解析が可能となる。この化合物は現在の海洋などの微生物群集解析に応用されているが,演者は新第三紀(約1000~400 万年前)に古日本海の沖合域と沿岸域で堆積した泥岩試料からキノンの派生物を検出し,キノンは地質試料においても適用できることを提示した。本講演では,さらに白亜紀や新第三紀の堆積物およびそれから分離されたケロジェン試料からのデータを加え,キノン分析,とくに結合態キノン分析の適用性,有用性について述べる。

著者関連情報
© 2008 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top