日本列島付加体中には数多くの存在するアンバー(鉄マンガン堆積物)が存在する.本研究では,早池峰帯川目地域 (367-363Ma),北部秩父帯国見山地域 (290-270Ma),常呂帯常呂地域 (155-146Ma),四万十帯横浪地域 (141-135Ma),安健n域 (125-112Ma),四万十帯牟岐地域 (78-74Ma),龍神地域 (70-65Ma),および嶺岡帯嶺岡地域 (52.8Ma) から得られたアンバーのOs同位体組成について総括を行った.その結果,デボン紀から中期中新世の海水のOs同位体比変動曲線は,ジュラ紀後期から白亜紀前期の一時期を除いて比較的一定した値(Os同位体比=0.4-0.6)であったことが明らかとなった.