白鳳丸KH-05-2次航海において、夏季に南緯10.2度から北緯53.6度まで西経160度線に沿って大気観測を行った。陸上大気の影響のほとんどない太平洋中部赤道域(南緯10度*k緯5度)では、高い海洋生物生産を示していた。その海域上で採取した大気エアロゾルの硫酸塩、アンモニウムイオン濃度は、中高緯度の海域よりも2?3倍高濃度であった。硫酸アンモニウムエアロゾル粒子の平均粒径は赤道付近の方が小さく、夏季の中部赤道域における海洋大気境界層内へのアンモニア放出量を見積もると、17 μmol/平方メートル/日であった。赤道海域は海洋生物起源気体の放出源であり、エアロゾル生成の場としても重要である。