日本地球化学会年会要旨集
2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
セッションID: 2P27 13-P05
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同位体で見る地球表層環境変動
有孔虫炭酸塩殻中のNd同位体比と希土類元素組成
*堀川 恵司浅原 良浩山本 鋼志
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抄録

有孔虫のNd同位体比は,Palmer and Elderfield (1985)において初めて報告され,深層水のNd同位体比と近い値を示すことが報告された.この事は,堆積物中でカルサイトの表面にFe-Mn水酸化物が吸着し,同時に深層水由来のNdが多く取り込まれている事を示唆する.Vance and Burton (1999),Vance et al. (2004)は,浮遊性有孔虫殻のFe-Mn水酸化物フェーズ中のNdを取り除くクリーニング処理を行い,浮遊性有孔虫がその生育水深であった表層水のNd同位体比と近い値をもつ事を明らかにしている.この事から彼らは,浮遊性有孔虫が表層水Nd同位体比を記録している可能性を指摘している.しかしながら,検証数がまだ少ないこととその確度の曖昧さもあり,指標としての有用性については,さらに慎重に検証する必要がある.本研究では,太平洋で採取された表層堆積物中の浮遊性有孔虫について,クリーニングを行い,REEとNd同位体比の測定を行う.

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© 2008 日本地球化学会
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