抄録
地球外物質が持つ希ガス濃度・同位体比は、我々に太陽系の進化やその環境に関する情報を与えてくれている。例えば、隕石中に蓄積された希ガス(宇宙線照射起源3He、21Ne、放射壊変起源4He、40Ar)から宇宙線照射年代やガス保持年代を求めることができる。このような試料、特に宇宙塵のような微小試料の希ガス分析には高感度であることに加え、低ブランク(つまり高S/N比)であることが求められる。我々は微小試料に対して段階加熱法を適用できる低ブランクの加熱炉を開発している。本発表ではその性能と解決すべき点を紹介する。