抄録
ダイオキシン類やャ渇哩サビフェニール(PCB)は、有害性、蓄積性、難分解性、長距離移動性から地球規模の汚染が問題となり、残留性有機汚染物質(POPs)に関する条約に基づき国際的に環境対策が進められている。わが国では各種の対策により環境は改善傾向にあるが、土壌や底質から過去の人間活動に由来する高濃度汚染が判明し、原因解明が求められている。ダイオキシン類やPCBは多くの異性体で構成されているが、燃焼、農薬、塩素漂白、PCB製品など主な生成・排出源ごとに特有な異性体・同族体組成を持つ。当所では発生源ごとの組成調査や組成に基づく解析を行ってきたが、ここでは組成パターンなどを基に進めている土壌・底質汚染の解明事例について報告する。