抄録
年縞が発達した中緯度域の淡水湖である水月湖から採取したサンプルを用いて、過去の地球磁場変動、特にエクスカーションを記録していると考えられる宇宙線生成核種のBe-10フラックスを求めた。 その結果、約38kaにLaschamp地磁気エクスカーション起源の2つのピークが検出できた。この2つのピークはグリーンランド氷床コアのそれらと対比可能であり、年代軸タイャCントとして有用であることが確認された。従って、この年代軸タイャCントを用いることで、水月湖湖底堆積物の年代モデルを補正でき、特に南北両極域との年代対比が可能になることが示唆された。一方で得られたピークの年代は、海洋堆積物コアのそれとは一致をみるが、氷床コアのピークとは系統的にズレが生じていることが明らかになった。講演ではこれについての考察も含めて議論する。