抄録
2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震は(M7.2),この低いヘリウム同位体の地域において発生した.そこで,地震直後のヘリウム同位体がどのように変化するかを調べるため,7月21?22日に9ヶ所で温泉ガス・水のサンプリングを行い,ヘリウム・ネオンの存在比とヘリウム同位体比を測定した.地震による変化をみるためにHoriguchi et al. (2007)により測定された同じ源泉にて,できる限り同じ手法により試料を採取した.その結果,同じ条件によりサンプルが採取された5ヶ所中の4ヶ所にて、10-80%のヘリウム同位体の上昇が明らかになった.これらのことは、地震に伴い、地下でマントル物質の上昇が起こったことの直接的な証拠になるかも知れない.