日本地球化学会年会要旨集
2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
セッションID: 1B15 10-04
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地震発生素過程、断層帯・活断層の化学、地震活動に関連した化学観測
兵庫県南部地震前のラドン散逸と地殻歪変化の呼応について
*安岡 由美川田 祐介長濱 裕幸大森 康孝石川 徹夫床次 眞司志野木 正樹
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抄録

神戸薬科大学において,電離箱を用いて、大気中ラドン濃度の連続測定(1984年1月から1996年2月,1989年欠測)をしていたところ,兵庫県南部地震(1995年1月17日)前に,ラドン濃度の異常な上昇が観測された。地殻歪の変化によって,岩石・土壌中の空隙率・空隙連結度が変化し,その結果ラドン散逸量も変化したと考えられる。また,地下水中ラドン濃度や地下水湧水量の変化は,観測地点の局所的な地殻歪を反映しているのに対し,大気中ラドン濃度変化は,ある程度広範囲の平均的な地殻歪変化を反映している。さらに,大気中ラドン濃度の変動パターンは臨界モデル式で回帰することができる。以上のことから,大気中ラドン濃度変化は,地震前兆の観測項目として有用だといえる。

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© 2008 日本地球化学会
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