千葉県船橋市の放射線量分布からみた都市部における放射性降下物の挙動

抄録

千葉県船橋市全域において空間線量を測定し、その分布を基に都市部における放射性降下物の挙動を追跡した。地形的および地理的特徴による降下量の違い、また都市部にみられる放射性物質の移動状況を調査することを目的とした。千葉県船橋市内の小学校、保育園、公園、駅など約100箇所において、NaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータTCS-171(Aloka)を用いて空間線量の測定を行った。船橋南西部では100cmにおける空間線量が0.06～0.16μSv/hの値を示し、事故前の数値とほとんど変化が無いと思われるが、東北部では0.2μSv/以上の値が観測され、南西部より東北部において放射性物質の降下量が多かったことが推測される。