抄録
ペルム紀末の大量絶滅は顕生代最大規模であったとされているが、この絶滅イベントは単一の事象ではなく、ペルム紀中期-後期(Guadalupian-Lopingian; G-L)境界、狭義のペルム紀-トリアス紀(Permian-Triassic; P-T)境界の二つのイベントからなることが指摘されている。ペルム紀末の大量絶滅を本質的に理解するためには、G-L境界に関する研究は不可欠であり、本研究でもこの境界について取り扱う。本講演ではG-L境界に関する同位体比などを使った研究をレヴューするとともに我々の研究で得た硫黄同位体比に関する議論を組み合わせてG-L境界における海洋環境の変遷を議論する。