日本地球化学会年会要旨集
2011年度日本地球化学会第58回年会講演要旨集
セッションID: 2P06
会議情報
セッション5 海洋における微量元素・同位体
海底熱水及び温泉水中のヨウ素の濃度と化学種の分析
*岡部 宣章蒲生 俊敬小畑 元川口 慎介武田 重信
著者情報
キーワード: 海底熱水, 温泉水, ヨウ素
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

ヨウ素は、その他のハロゲン元素とは異なり海水中よりも海底堆積物間隙水中に多く含まれていることが過去の研究から知られている。これは、海水中のヨウ素が生物による濃縮を経て海底に堆積したためであると考えられている。また、ヨウ素はヨウ化メチルやI2として海洋から大気中へ放出される。海洋中のヨウ素濃度のバランスは、このような放出と地殻を構成する火成岩などが風化することによる流入によって成り立っていると考えられてきた。しかし、近年の研究で火成岩や変成岩に含まれているヨウ素の量は、当初考えられていたよりも少ないことが分かってきた。そのため、ヨウ素の海洋への別の供給源として海底熱水系に注目した。海底熱水系の中には、ヨウ素を多く含む堆積物の中を循環するものがあり、海洋中のヨウ素に与える影響は大きいと考えられる。 本研究では、ボルタンメトリーによってI-、ポーラログラフィによって IO3―、及びICP-MSによってTotal Iodineの分析を行いつつある。

著者関連情報
© 2011 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top