抄録
2009年春季に採取したフィルター試料に含まれる微量元素を定量し、発生起源や挙動について考察した。フィルター試料の観察結果から、サンプリング後のフィルターでは繊維の隙間や表面に粒子状のものが多く付着しており、これらが大気粒子状物質であると考えられる。また、定量できた元素の濃縮係数を求めた結果から、黄砂観測時に値が上昇していることがわかった。これは黄砂の飛来によると考えられる。さらに、各陰イオン元素の水溶性成分濃度がCaと高い類似性が見られた。それらは黄砂と共に関東に飛来していると考えられる。