日本地球化学会年会要旨集
2011年度日本地球化学会第58回年会講演要旨集
セッションID: 1B17
会議情報
セッション1 大気微量成分の地球化学と相互作用
窒素沈着に与える粒径10μm以上の粒子の寄与
*松本 潔
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
大気由来の窒素負荷が森林などの生態系に与える影響が注目されているが、その沈着量の評価においては、特に乾性沈着量の見積もりの不確かさが大きい。エアロゾルの沈着は粒径に大きく依存し、特にNO3-Nは粗大粒子への分配が高いためエアロゾルとしての乾性沈着量は大きい。エアロゾルの観測では粒径10μm以下の粒子に注目が集まるが、粒径10μm以上の粒子(PM>10)の乾性沈着への寄与に関する観測事例は少ない。本講演では、PM>10のNO3-Nの乾性沈着への寄与を評価したので報告する。エアロゾル中のNO3-Nは観測期間中の平均濃度で1.25μg/m3であり、このうちおよそ9.5%がPM>10に含まれていた。微小粒子中のNO3-が揮発しやすい夏季には、エアロゾル中NO3-Nのおよそ17%がPM>10に検出された。Inferential法で見積もったエアロゾル中NO3-Nの乾性沈着量は、平均で4.26 mg/m2/dayとなった。このうちPM>10の寄与はおよそ47%、夏季にはおよそ51%に達した。このことから、NO3-Nの乾性沈着を議論する上でPM>10の動態が重要であることが確認された。
著者関連情報
© 2011 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top