抄録
近年、大気粉塵中の炭素粒子の発生源を推定する方法の一つとして、14C濃度測定が注目されている。14C濃度により、炭素成分の起源は化石燃料起源とバイオマス起源に分けられ、実際の粉塵試料に対し14C濃度測定を行うことで、この2つの起源の寄与率が推定できる。また、δ13Cも発生源特定の手がかりとして有効と考えられる。偏西風の風下に位置する福岡は、アジア大陸からの輸送による影響を受けやすい地点であるため、福岡の大気中微小粒子状物質に対し14C濃度測定およびδ13C測定を行うことは、近隣での発生および長距離輸送の実態解明につながると考えられる。本発表では、2012年度に福岡市で観測されたPM2.5中全炭素(TC)における14C濃度およびδ13Cの通年の挙動について報告する。