抄録
炭酸カルシウムには、カルサイトおよびアラゴナイトの他に、準安定相であるファーテライトが存在する。カルサイトおよびアラゴナイトの圧力応答に関しては多くの研究例があるが、ファーテライトの高圧下での挙動に関しては報告例がない。そこで本研究では放射光X線を利用したX線回折を用いてファーテライトの高圧下その場観察を行った。高圧発生にはダイヤモンドアンビルセルを用いい、圧媒体としてヘリウムまたはメタノールエタノール混合溶液を使用した。0-14 GPaの範囲で段階的に圧力を変化させ、各圧力でX線回折測定を行ったところ、ファーテライトは4.7 GPaで未知相とカルサイトIIIへ相転移することが確認された。また、相転移後は常圧に回収するとファーテライトだけでなく、カルサイトも得られることから、ファーテライトの一部が不可逆相転移を示すことが明らかになった。